北海道森町の郷土料理・ご当地グルメ
いかめしと言うとほとんどすべての人は駅弁を連想するのではないでしょうか。そうです、いかめしは、戦後、1966年に東京の京王百貨店で開催された「第1回元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」の第2回に売り上げ1位になり、以降、各所で開かれる「駅弁大会」の常連になり、いかめしは森町名物、広くは北海道名物として全国区の知名度を獲得しています。
いかめし発祥の地、森町は北海道茅部郡にある町で、いかめしが誕生した背景には、函館本線森駅の駅弁を作っていた阿部弁当店(現在の店名はいかめし阿部商店)が戦時中の1941年に米が不足していたのでスルメイカを使うことで米を節約して作れる料理として考案したと言う経緯があります。
いかめしの製法は、するめいかの下足(げそ)と腹ワタを取り除いた胴身にもち米とうるち米を詰め込み、醤油味の出し汁で炊き上げるといういたって簡単なものです。なお、いかの中に詰めたお米が外へ飛び出さないように爪楊枝で留めたりもします。また、胴身に詰める具材に細かく刻んだ下足や筍、人参、油揚げなどを入れても構いません。
いかめしは、戦時中のソ連軍の侵攻に備えていた軍隊の兵士たちから、腹持ちが良い食べ物として評判だったとのことです。
ちなみに、北海道駅弁と言うよりも国内駅弁のナンバーワンの座を他に譲らない元祖いかめしは函館本線渡島管内森町森駅の駅弁で、森駅構内で販売されています。また、駅弁とは言え、お土産としての価値が高く、車内で食べるほかに北海道旅行のお土産としても多くの人に好まれています。
このようなことから、いかめしを語るさいには北海道の入口である函館市を抜きにすることはできません。今では過去の風物詩になりましたが、以前は本州から函館に入ると、いかの匂いがしたといわれたほど、いかめしの材料になるいか漁の本場は函館です。
その函館出身の著名人・有名人は数多くいます。古いところでは、コメディのフアンなら誰もが知っている喜劇俳優に益田喜頓(ますだきいとん)が居ます。昭和期を代表するコメディアンである益田喜頓は芸名で、昭和初期の三大喜劇王の一人であり、アメリカのコメディアンのバスター・キートンが、その芸名の由来です。
コメディアンが居る一方で、高峰秀子や叶和貴子という有名女優も函館出身で、デコちゃんと言う愛称で多くのファンを獲得した高峰秀子は、歌手としても戦後空前のヒット曲になった「銀座カンカン娘」を歌っています。主な出演映画作品には「カルメン故郷に帰る」「二十四の瞳」「浮雲」などがあり、ミュージカル女優とシリアスな女優を見事に演じ分けています。 叶和貴子はテレビドラマの出演が多く、ドラマ「パノラマ島奇談」』で大胆なヌードを演じて話題を呼びました。
また、「白い蝶のサンバ」で一躍有名になった歌手の森山加代子も函館市の出身です。
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