富山県富山市の郷土料理・ご当地グルメ
ます寿しは、駅弁でお馴染みの、色鮮やかなマスの押し寿司で、富山県の代表的な郷土料理です。
丸い形の器に笹の葉を敷き詰めて、その上に塩漬けして味付けをしたマスの切り身と酢飯を詰め、さらに笹で包み、それに重石を乗せて作られる押し寿司です。
マス寿しは、享保二年(1717年)に美味しい越中米と神通川のアユで作ったのが始まりとされていて、時の加賀藩主が八代将軍吉宗に献上したところ、食通で有名な吉宗がその美味しさに驚嘆したという話が伝えられています。その後、アユの代わりにマスを使ってこの押し寿司が作られるようになり、やがて越中名物として広まっています。
富山市の松川沿いにはたくさんのます寿し専門店があり、駅弁やお土産は全国区の知名度があり、多くの人に食されています。ちなみにます寿しの始まりには別の説があり、それは富山市の鵜坂神社に、神通川で獲れた一番鱒を塩漬けにして春の祭礼に供えていたのが、江戸時代に現在の形態のます寿しに変化したと言うものです。
ます寿しの作り方は極めて簡単で、最初は主役の鱒を三枚に開いて、薄くスライスします。次に笹の葉を敷いた曲げわっぱに酢飯を敷き詰めて、その上にマスを乗せます。それを笹の葉で閉じて重石を載せて数時間経過すると出来上がりです。
あまりにも簡単ですが、食通で知られていた八代将軍吉宗が「うまい!」と唸ったという話は現代の今でも変わることなく、ます寿しを食した人は口を揃えて「美味しい!」と言います。美味しいものはいつの時代でも美味しいのですね。
ところで、最近話題になっているのが富山県内を通る国道41号で、この国道沿いからはノーベル賞受賞者が続出しています。ます寿しを食べたからノーベル賞を受賞できるのなら毎日3食をます寿しにする人が続出しそうですが、もちろんノーベル賞受賞は、ます寿し由来ではないようです。
では、富山県が生んだ有名人を見てみましょう。
ノーベル賞受賞者には、田中耕一(化学者、ノーベル化学賞受賞者、富山市出身)、利根川進(化学者、ノーベル医学生理学賞受賞者、富山市出身)が居ます。
また、ノーベル文学賞受賞にはいたりませんでしたが、サラリーマンの人生の悲喜劇を描いた小説で一世を風靡した源氏鶏太も富山県出身です。
これらの顔ぶれを見ていると、これからも富山市や富山県からは、世界的な著名人が生れてきそうな予感がしないでもありません。
また、ます寿しもそのうちに訪日する海外の人たちの間で美味しいニッポンの味として知られるようになるかも知れません。
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